米軍増強歓迎
一方で無視される住民生活
 

 沖縄に駐留する米海兵隊のグアム移駐を巡り、グアム大学では米下院島嶼小委員会メンバーや地元カマチョ知事ら両政府代表者らを招いた討論会が開催された。

 会場の周辺では「グアムの自治決定権は今」「貧困は死だ」などと書いたプラカードを持つグループが立ち、また銃器などを持った警備員が配置されるなどいつものグアムとは思えない重々しい雰囲気の中で議論が行われた。

 討論会における地元の主張は一貫している。米軍は歓迎するが、グアム側をもっと尊重して欲しい、という声だ。カマチョ知事は、日米の移転協議の席にグアム政府も同席させるべきだとして、米下院メンバーらに訴えた。米軍の移駐により2014年までに人口が1万7,000人増加すると見られ、米空軍と海軍の増強により米戦略の中でグアムの重要度が極端に増すことになるが、その中で経済はともかく住民への政治的社会的影響に不安があるからだ。この点について米側小委員会のクリステンセン議員は、コミュニティの将来が不透明な上に「認識されている」地元政府の力がないことが一層住民の不安を駆り立てていると分析した。

 会場の外でプラカードを持つフランシスコ・クルースさん(70才)は「米国への愛国心はある。しかし彼らは私らがここにいることを望んでいない」と米国旗をデザインした椅子の上に座った。米陸軍退役軍人のファン・タイタノさん(67才)はベトナム戦争に3年間従軍した人。タイタノさんはグアム政府の管轄権がない現状での米国人の制限のない入国管理と米軍の存在によりグアムが戦争の標的になることに懸念を持っている。その上で「米国にとって我々の存在は無に等しい。チャモロは米国にとって重要ではない。現在もチャモロ人口(の比率)が減少しているのだから」と訴えた。

 グアム商工会議所の今年3月の意識調査によると、グアムの大多数は米軍の増強を歓迎している。調査の誤差4%を除くと71%の住民が米軍のグアムでの駐留を支持しており、80%が求職や歳入の増加という2点で大きな貢献をするとみている。会頭のステファン・ルーダーさんによれば、会議所としては慎重な計画のために充分な地元へのサポートが行われることが健全な経済を作ることになる。デデドの村長で村長会議議長のメリッサ・サバレスさんは、この調査の結果に同意する1人だが、道路の整備、交通渋滞の回避のための対処、歩道の設置など、基地施設内だけでなく外部の住民生活の面でも基地以上の配慮が必要だと話している。

 インフラ整備は米軍基地としても人口増加の点でも絶対に欠かせない事項だが、それに関連して心配されるのは土地の強制収用。すでに米軍はグアムで3万エーカーもの土地を軍用地に指定されているが、さらに多くの土地が強制的に奪われることは確実。デイビッド・バイス少将(退役軍人)は、もし土地収用となれば公正な一般の市場での価格評価に基づいて買収されることになろうと述べているが、総工費10億ドルをくだらないと言われているこれらの土地を含むインフラ整備費用に加え、インフラの運営費の米軍側分担など、グアム側の心配は多い。米軍もグアム政府の消費者としてグアム政府運営の水道、光熱の費用を一般住民と同等に支払うべきだというのがグアム側の考えだ。この点について米軍側はまだ明らかにしておらず、またこのための調整も両者で行われていないことからも、グアム側の「グアム抜き決定」に不満が募っていると言ってよい。


メモリアル・ホスピタル
無資格者の医療行為で調査
 

 グアム・メモリアル・ホスピタル(GMH)が無資格者に医療行為をさせていた疑惑で調査のため情報公開を求められていることが判った。

 これは医師会の会長ナザニエル・バーグ医師が病院のピータージョン・カマチョ運営長に対し宛てた書簡で指摘されている問題で、過去6ヵ月間の「クラークシップ・エクターナルシップ」という文書の公開が要求されている。この文書は医学生や住民を厳しい監視の下で医療現場での教育を行ったプログラムに関するもの。トーマス・サイ医師が、インターンが帝王切開の際に脊柱への麻酔をし、患者に非常な痛みを与えたと指摘したことを受けて医師会が病院側に文書の公開を迫ったもの。

 サイ医師によれば、キャサリン・アングカオさんがこのプログラムに関与し、問題について病院側に医師としての資格のないアングカオさんが医療行為をしたことで患者に謝罪するように求めた。

 サイ医師は「明らかに病院の方針に違反する行為だ」と批難し、病院も適切な判断を下さなかったという。


知事の総所得税の提案
卸売り業界が反対
 

 カマチョ知事が政府の歳入増加のために2008年度から卸売り業者を対象に総所得税(GRT)の課税を実施することを検討していることに、同業界関係者が猛反対している。

 知事案によれば、現在7社ある卸売り業者に対する現行では利益の1%以下の課税率を4%に引き上げることによって、政府は770万ドルの増収となる。

 今年7月にアーンスト・アンド・ヤング会計事務所が商工会議所に宛てた書簡によると、グアムの主要卸売り会社3社の合計純利益は100万ドルに達し、昨年の総所得1億1,100万ドルの0.92%を占めている。またデロイト・トゥシュ・トーマツ事務所が行なった卸売り会社4社の会計財政状況の審査によると、2006年度の純利益は42万1,293ドルで、総所得税9,300万ドルの0.45%を占める。政府はこうした資料を参考に税率4%を決めたが、当然卸売り業界は反対。結局はこの負担は消費者に転化されると同業界は反対している。

 グアム卸売り会社は1986年に1,142人の従業員を抱えていたが、2006年には2倍の2,010人となり急成長を遂げている。しかし業界代表でクオリティ・ディストリビューターのライ社長は、「1980年代は1人ですべての業務をこなすような無理な仕事をして事業を継続しており、今ではようやく80人を採用できるようになった。総所得税の免税によって成長した卸売業の今後に歯止めをかけるようなことは避けてもらいたい」として議会に知事案の廃案を働きかけることにしている。


28才死亡、3人負傷
早朝の交通事故
 

 バリガダのルート16で早朝、2台の乗用車が衝突する事故が発生し、28才の男性が死亡、3人が負傷した。交通事故の死亡者は14人目となり、昨年全体の13人を突破した。

 事故は税収歳入局前で午前5時頃発生。日産セントラが反対車線に乗り込み、前進して来た日産パスファインダーに衝突した。セントラは前方が完全に押しつぶされた格好となった。警察では事故の原因について捜査している。

 負傷したのはセントラの助手席にいた男性とパスファインダーを運転していた高齢の女性と8才の男児。

 交通事故死者は2004年に14人、2005年に23人と増え、2006年には13人と減少したが、今年は半年ですでに14人となっている。


教会で3人射殺される
ピンゲラップ出身牧師も
 

 米モンタナ州ネオショウの教会で銃撃事件が発生し、ミクロネシア連邦ポンペイ州の離島ピンゲラップ出身の牧師を含め3人が射殺され、多数が負傷するという事件が起きた。

 事件の詳細は不明だが、AP通信によれば、ファースト・コングレゲーショナル教会で40才代の「太平洋諸島出身」」の男が銃を乱射し逮捕された。この事件でピンゲラップ出身のカーネル・レホブソン牧師(44歳)とやはりピンゲラップ出身の2人の計3人が死亡した。負傷者の数は不明。

 レホブソン牧師はピンゲラップで生まれ、サイパンに移住してオレアイ・エレメンタリースクールで教鞭を取った後にモンタナ州で牧師になった。グアム・ピンゲラップ協会の会長で、同牧師と高校で同級生だったソランセ・ロポネイさんは「ショック以外の何ものでもない」と驚きを隠せない様子で「彼は非常に親しみが持てる人間で誰に対しても援助の手を差し伸べる人だった」と話している。


少年2人が15才をナイフで刺す
「見つめられたから」
 

 13才と14才の少年2人が15才の少年をナイフで刺し、18才未満の青少年を収容する青少年局(DYA)の施設(少年院)に拘留された。けんかが原因と見られている。

 事件は午後6時頃、タムニンのサンアントニオ・ストリートの脇で発生。少年達がグアム・プレミアム・アウトレットで被害者の少年から「じっと見つめられた」ことから口論が始まった。短い口論の後に被害者の少年がアウトレットから出て家の方向に向かったが、2人の少年は被害者の後を追い、再び言い争いとなった。1人がナイフを取り出し被害者に向けて振り回し、被害者の背中を刺した。もう1人の加害者の少年も15才の少年を殴ったり蹴ったりした。

 被害を受けた少年はグアム・メモリアル・ホスピタルに収容されたが命に別状はないと話している。

 警察では少年への対処として親に以下の点をアドバイスしている。

▲子供には興奮せずに適切な行動を取るように言い聞かせること▲子供を非難したり親としてどうしようもないということは言わないこと。▲事件を秘密にしておくようには言わないこと▲いつ、どこで、何が起こったのか、また誰が関わったのか、証人は誰なのかを聞き出すこと。さらに子供がどの時にどう対応したのかを聞いておくこと。▲学校長やスタッフに報告し、事件について文書で残しておくこと。▲相手の両親に連絡し、学校や警察に連絡していることを伝えること。


今週のアンケート
「やはり心配」中国商品
 

 地元英字紙「パシフィックデイリーニュース」紙ではインターネットを通じて最近のニュースに関連した問題について読者の意識調査を実施している。以下はその結果報告である。

新学期開始。今学年度の公立学校はどうなると思うか
回答数460件(調査日8月13日)
昨年度より向上        12.2%
昨年度と同じ問題抱えることに 45.2%
昨年度より悪化        42.6%

新学期初日の感想はいかが
回答数204件(調査日8月14日)
非常によい    13.2%
満足程度     19.1%
もっと準備が必要 67.6%

中国商品に対しどの程度不安を持っているか
回答数416件(調査日8月16日)
非常に心配   67.8%
心配      13.1%
ある程度心配  7.5%
心配していない 11.6%

企業はグアム政府の負債返還のためにもっと税金を支払うべきか
回答数424件(調査日8月17日)
もっと払うべき             16.7%
政府が歳出を減らす条件でもっと払うべき 39.4%
反対                  43.9%

港湾の管理を民営化するべきか
回答数261件(調査日8月18日)
民営化賛成 79.3%
民営化反対 20.7%

グアム政府職員は島外出張についてもっと情報を公開するべきか
回答数276件(調査日8月19日)
公開するべきだ 94.6%
必要ない    5.4%