英語短歌(371) |
仕返しのなきあり方を探り来つ神がお仕置きするを念じて
I search for a way
not to want revenge against a person
who tormented me:
is it enough to believe that God will
punish the person for me?
--Yukiko Inoue-Smith
正義が勝つのは捕り物帳や探偵小説の中であって、現実の世の中では悪い奴ほどよく眠る。テクノロジーが発達した今日は、コンピューターなどを使った虐めが大きな社会問題になっている。その餌食となって苦しんだ時期が私にもある。
英語短歌(372) |
旅たてよ戻ることなく父母言ひぬ我れは若くて怖れを知らず
“start on your journey
in life and don’t come back”
said my parents
when I was young and
a stranger to fear
--Yukiko Inoue-Smith
子供は少し厳しすぎるほどに育てるほうが良いと読んだ。私の両親は、巣立ちのときが来たら、きっぱりと突き放す潔さがあった。若さの特権とは「知らない」という勢い。いろいろなことにどんどんチャレンジでき、たとえ失敗しても、おきあがりこぼしのように、また起き上がるバネがある。
英語短歌(373) |
幸福の条件とは何 解く鍵はひとそれぞれのこころにあるのみ
what conditions
create human happiness?
some say that
the answer is inside
the mind of each person
--Yukiko Inoue-Smith
人はみな幸せになりたいと願う。人生いろいろ人もいろいろ、幸福の条件は人によって異なる。柴木のり子の次の詩。<行方不明な時間が必要です...... 三十分であれ 一時間であれ なにものからも離れて...... ふっと自分の存在を掻き消す時間は必要です>。そんな時間を持てたらいいと切実におもう。
英語短歌(374) |
わけもなく裸身をさらす心地して真昼の街を行きつつめまひす
dizzy from
the noonday heat
I feel naked
while walking
down the street
--Yukiko Inoue-Smith
真昼の大都会の街を歩く、それも夏のみぎり。日差しがかんかんと照りつけるなかを白いドレスで歩く。まさに太陽がいっぱい、歩きながらめまいをおぼえる。それはものすごい暑さのためではあるが、わけもなく裸身をさらしているような気がしたりもする。
英語短歌(375) |
灼け石にくちびる触れつ後悔は電流となりて体内を駆くる
when I touch my lips
to the heated stone
my regrets turn into
warm current
inside my body
--Yukiko Inoue-Smith
悔いのない人生とはどのような人生なのでしょうか。その答えとして、ある人は「今」を大切にして、「今」を精一杯生きることと述べていた。。「悔いのない選択をするというよりは、選択したことを悔いないようにしている」という人の助言も役立つ。